【米国株】タイソン・フーズを分析！　米国最大の食肉企業に投資する価値はあるか【TSN】

タイソン・フーズって何の会社？

米国最大の食肉企業

タイソン・フーズは、1935年に設立された世界最大級の食肉加工・販売企業であり、家庭用や外食産業向けに様々な肉製品を提供しています。最近では、持続可能性への取り組みや代替肉の開発に注力していることで注目を集めています。
1983年にNYSE（ニューヨーク証券取引所）で上場しており、ティッカー名はTSNです。
買収を繰り返すことで規模を拡大してきた企業であり大量に畜産農家を抱えているだけでなく、屠畜、精肉・加工工場、流通まで手掛けています。マクドナルドにも商品を供給していることで有名です。

タイソン・フーズの収益構造

牛肉・鶏肉が売り上げの約7割を占めています。
加工食品（Prepared Foods）の割合はそこまで高くないようです。

製品の卸先はスーパーマーケットが44%、次いで外食産業が29%となっています。

タイソン・フーズの競合他社

2022年アメリカのビーフパッカーランキング

順位	企業名 本社所在地	1日あたりの と畜数（頭）	工場数
1	JBS USA Greeley, Colo.	29,000	9
2	Tyson Foods Springdale, Ark.	25,800	6
3	Cargill Protein Wichita, Kan.	23,000	6
4	National Beef Packing Co. Kansas City, Mo.	13,200	2
5	American Foods Group Alexandria, Minn.	6500	4
6	Caviness/CS Beef Packers Amarillo, Texas	4700	2
7	Greater Omaha Packing Co. Omaha, Neb.	2900	1
8	Central Valley Meat Hanford, Calif.	2800	2
9	Nebraska Beef Ltd. Omaha, Neb.	2400	1
10	Creekstone Farms Premium Beef Arkansas City, Kan.	2100	1

アメリカン・ビーフ パッカー トップ30 2022（と畜数ベース）によると、タイソン・フーズの牛肉生産量はアメリカで第二位でした。アメリカの牛肉業界は寡占化が進んでいるためライバルに成り得るのはトップのJBS USAと第三位のCargill Proteinぐらいですが、JBS USAはブラジル資本の会社で米国では上場していないため投資がしづらく、また第三位のCargill Proteinは非上場会社であるためこのセクターに投資をするならタイソン・フーズが無難であると思われます。

代替肉産業は脅威ではない

2023年3月現在、代替肉シェア１位のビヨンド・ミートの株価は崩壊しています。
株価は全ての事象を織り込むとされているので代替肉産業はタイソン・フーズの脅威にはならないと見て良いと思います。ちなみにタイソン・フーズは以前ビヨンド・ミートに出資をしていたようですが現在は全ての株式を売却しており、自社の代替肉ブランドを立ち上げています。

代替肉が失敗した考えられる理由としては・・・
代替肉は本物の肉よりも高価であることが一般的です。これは、代替肉を生産するために必要な原材料や製造プロセスが複雑で高価であるためです。これにより、多くの消費者が代替肉を選択することを躊躇しています。

さらに、代替肉には健康上の懸念が存在することも一因として挙げられます。代替肉は、肉に含まれる栄養素やたんぱく質の量が少ないことが多く、また、加工食品であるため、添加物や調味料が含まれていることがあります。これらの要因が、代替肉を健康的な選択肢として見なされない理由の一つとなっています。

そして最大の理由は　”代替肉は人間の肉食の欲求を満たせない”　これにつきると思います。
味が良くないだけでなく、肉は多くの文化で食事の中心的な役割を果たしており、代替肉は文化的な背景が異なる地域では受け入れられにくいと思われます。

タイソン・フーズの株価と配当

株価はコロナショックレベルまで落ち込んでいる

2023年３月現在、タイソン・フーズの株価はコロナショックレベルまで落ち込んでいます。
ロシアのウクライナ侵攻によって畜産業で必要な飼料や燃料が高騰したことにより利益を圧迫していることと、インフレにより消費者の需要が減少したためです。55ドル付近がここ数年間の強固なサポートとなっているのでここを割るかどうか注視したいですね。

タイソン・フーズの時価総額

2023年現在のタイソン・フーズの時価総額は
株価　56.59ドル×　発行済み株式　355,625,957　

＝20,124,872,906ドル
＝約2兆6300億円

タイソン・フーズの配当

タイソン・フーズは11年間連続増配中です。
2023年3月現在のタイソン・フーズ1株当たりの配当は0.48ドルです。
年間配当は　0.48ドル×4回＝1.92ドル
配当利回りは　配当金1.92ドル÷株価56.59ドル×100＝3.39%

タイソン・フーズの業績

タイソン・フーズの業績は過去4年間は増収増益となっています。
今季は景気後退の影響を受けて業績の悪化が予想されています。

アメリカは人口が増加する稀有な先進国である

アメリカは他の先進国と同様に出生率は低下していくようですが、今後も移民を受け入れ続けることで2100年まで人口は増加し続けると予想されています。
人口増加により食肉の需要が高まり続けることが確定しているのはタイソン・フーズにポジティブな要素と言えると思います。

まとめ　

絶望OLちゃんがタイソン・フーズを買いたい理由

・ウクライナ侵攻による暴落が歴史的な買い場である可能性
・株主に還元する企業である
・時価総額がそこまで高くない
・アメリカの人口動態の長期展望は楽観的
・人間はお肉を食べたい